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シェアサイクル・HUBchariで、ホームレス、生活保護受給者への自立と就労の場の提供事業

川口 加奈 /  Kana Kawaguchi ( 第2期 )
Homedoor・HUBchari  

事業概要

【ミッション】ホームレス状態を生み出さない社会構造の実現
…Homedoor(ホームドア)では、
ホームレス状態になりたくないにも関わらずそうならざるをえない状況や、
ホームレス状態から抜け出したいと思っても抜け出せない状況、
ホームレスの人々への偏見がなくならず、襲撃事件が後をたたない状況を
9つの取り組みによって解決していきます。

【事業内容】
1.HUBchari
…ホームレス問題の中でも現在特に深刻なのは、「ホームレス」を脱し生活保護を受けるようになった方が、なかなか次の段階に進むことができず、生活保護を受給し続ける以外に道がないということです。HUBchariは、この問題を解決するため、ホームレスの人々の共通の特技である自転車修理を活かしたシェアサイクルです。

2. 釜Meets
…日本で最もホームレスの人々が多いといわれる釜ヶ崎(あいりん地区)とその周辺のまち歩きと、炊き出しへの参加やワークショップを行い、日本の貧困問題をじっくり考える場を提供しています。2010年より続く、参加満足度98%の人気イベントです。中学生から大人まで様々な方が参加されてきました。
奇数月の月末の日曜日に実施しています。依頼によっても実施しています。

 

事業を始めたきっかけ

 「ホームレスに近づいちゃダメ」「怠けていたらホームレスになる」
皆さんは周囲の大人からそう言われたことはないでしょうか。私はそうでした。会ったこともない「ホームレス」に対し、なにか怖いと思い込み、路上で「ホームレス」が寝ていても気にも留めていませんでした。そんなある日、ひょんなことからホームレスの人への炊出しに参加することになりました。すると、「ホームレスにならざるを得ないどうしようもない理由」があることを知りました。

 また、中高生によるホームレスの人への襲撃事件が起こっていることに衝撃を受けました。「ホームレスは社会のゴミだ。俺たちはゴミ掃除、いいことをしているんだ。」そう言って私と同世代の子たちが、「ホームレス」を殺していました。おっちゃんと少年たちの最悪の出会いを食い止めたい、そんな思いで講演活動を開始しました。

 しかし、ホームレス問題に対する根強い偏見を解くのは、そう簡単なことではなく、何度も心が折れそうになりました。そんな時は、「もしも今、自分が何もしなかったら、ホームレス問題は何も変わらない。路上で凍死や餓死する人が減らないままだ。でももし、今何かしたら大きな変化は起こせないかもしれないけど、少しくらいは変えられるかもしれない。」と自分を奮い立たせ、新聞を発行したり、中高生100名を集めてホームレス問題を考えるフォーラムを2泊3日で開催したりしました。
 しかし、どんだけ活動をがんばっても、一向にホームレスの人が凍死や餓死で亡くなってしまう現状を変えることはできませんでした。ホームレス状態を単によくする対処療法的な活動ではなく、根本的に問題を解決する活動をしたい。そんな思いで、19歳の時にHomedoorを設立することに決めました。

ひとことメッセージ

 HUBchariを推し進める中で、取り組みも増えていき、現在は9つの事業をおこなっています。これからもより多くのおっちゃんたちをサポートしていければと、日々格闘が続いています。しかし、私たちだけががんばっても、問題は解決しません。
 10年間、ホームレス問題に関わってきて思うのは、日本人、一人ひとりが「他人事」ではなく「自分事」のように問題に関わる大切さです。そこで、さまざまな方に関わっていただきやすいようボランティア登録制度や寄付会員制度などもHomedoorでは用意しています。
 ぜひ社会を動かすアクションを一緒に踏み出していきましょう。これからも一人またひとりと向き合いながら、ホームレス状態を生み出さないニホンに向け、私たちも全力疾走で駆け抜けていきます。

 

活動レポート

1年間、SVMでメンターをして頂き、本当に成長したと思います。

変化した点として、1番大きなものは事業を始めたという事、そして、私たちのサービスを届けたいホームレスの方や生活保護受給者たちを雇用し、学生スタッフと一緒に2人3脚で自立を目指し始めた事です。事業をやりはじめ、最初はホームレスの方の雇用を考えていたのですが、徐々に、本当に私たちのHUBchariによる自立支援サービスを必要としている、孤立した生活保護受給者に訴求して行く事ができました。

---------------------------------------------------------------【2012/02】

8月に比べ、HUBchari事業を大きく前進させる事ができました。
実際に、1店舗でHUBchariをプレオープンさせながら、
おっちゃんを4人雇い、一緒に事業を運営してきました。

 3月まで、そのおっちゃんたちとどのような働く環境にして行けば、
おっちゃんたちが働きやすく、自分たちらしくいてもらえるのかを考え抜き、
一緒に3月末のオープンを目指してがんばって行こうと思います。

引き続き、応援よろしくお願いします!

---------------------------------------------------------------【2011/11】

7/3~7/10のHUBchari実証実験を終え、
本番に向けてノキサキに自転車を3~5台置いてくださりHUBポート(自転車の駅)となる
“ノキサキ貢献”を日々集めて回っております。

実証実験以降、より多くのご協力者を集めることに成功し、
プレスリリースなしでゲリラ的に実施したのですが、
朝日新聞、毎日新聞、FM802にも取り上げていただき、
現在もTV局からの問い合わせも増えております。

 10月から小規模でもいいからホームレス・生活保護者への
雇用の場を創出すべく、HUBchari本番を迎える予定です。
それに向け、注目度も協力者も高めていけたらなと思います。

引き続きのご協力、よろしくお願いいたします。

---------------------------------------------------------------【2011/8】

スタートアップマーケット開始から早や2か月半。

震災によって当初の予定通りにはいかない部分はあったものの、Homedoorらしく、つまずきながらも多くの方の助けをお借りし、ここまでやってこられました。

現在は、7月3日~10日まで実施するHUBchari実証実験に向け、準備に追われています。
実証実験では、自転車を3台ほど置かしていただけるノキサキ貢献企業を探し回り、多くの企業さまやカフェさまが、私たちの思いに賛同し、HUBchariの将来性に期待しご協力して頂いております。

実証実験、どうなるかはわかりませんが、テストマーケティングとして機能を果たせるように、最後まで気を抜かずに頑張ります。

---------------------------------------------------------------【2011/6】

【事業カテゴリ】
2期生地域活性・街づくり就職・就労支援・キャリア教育

【団体名/事業名】
Homedoor・HUBchari

【活動地域】
大阪をロールモデルに全国展開を目指す

【ウェブサイト】
http://www.homedoor.org

【ブログ】
http://www.ameblo/rikkaman

【プロフィール】
14歳でホームレス問題に出会い、ホームレス襲撃事件の根絶をめざし、炊出しや100人ワークショッ プなどの活動を開始。19歳でHomedoorを設立し、シェアサイクルHUBchari事業で元ホームレスや生活保護受給者累計56名に就労リハビリを提供する。ウーマン・オブ・ザ・イヤー2013若手リーダー部門選出。現在、23歳。大阪市立大学卒業。1991年大阪府生まれ。

【影響を受けたもの】
マザーテレサ

【座右の銘】
この世の最大の不幸は、貧しさや病ではありません。だれからも自分は必要とされていない、と感じることです。

【オフの過ごし方】
基本、まったりしてます。