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野菜を作る人と食べる人、畑と食卓の距離をぐっと近づける地域事業

光岡 大介 /  Daisuke Mitsuoka ( 第2期 )
地産地消を通じた「有機農業の生きる力を育む産業化」事業 ファームアンドカンパニー株式会社  

事業概要

現在、有機野菜を含めた多くの農産物が、産業商品化されすぎていると感じます。「命を支える食と農」という大切な側面よりも、価格や見た目や流通しやすさ、味や栄養などの機能面、買いやすさや品揃えなどの利便性など、これらに重きを置いた結果、土壌は疲弊し、農家は衰退・高齢化し、既に産業としても家業として成り立ちにくいものとなっています。

一方消費者は農の現場を知ることなく、気軽にスーパーや直売所やインターネットで購入できるため、畑や大地に宿るエネルギーも、人と自然のつながりも、農家の思いや苦労や喜びも知ることなく、野菜を消費してしまっています。このままでは畑と食卓の溝は埋まらず、食料自給率どころか、農の持つ大切な部分はどんどん忘れられ、衰退してしまうのではないでしょうか。

私達は地産地消や自給率アップへの取り組みが注目される中で、既存の農業モデルをより地域で支える形に再構築し、生産者が頑張れば報われ、評価され、事業としても成り立つ有機農業のモデルを創り出すと同時に、農業や自然の持つエネルギーを地域社会に還元していきます。

これらを通じて「有機農業の生きる力を育む産業化」することにより、新しい地域社会、地域コミュニティを作り出すことが私たちの使命です。

具体的には・・以下の事業に取り組んでいきます。
(1)CSA(Community supported Agriculture)事業
(2)畑を伝えるレストラン運営事業
(3)オーガニック&ローカルがコンセプトのショップ運営事業
(4)地域の飲食店や流通向けの業務用出荷事業

これらを通じて、有機野菜を地域で流通させつつ生産者の露出を増やし、顔の見える、会いに行ける!プロの有機農業者集団を育てます。
そして5年後には地元で2万人以上のサポーターを抱えるオーガニックコミュニティを作ります!

 

事業を始めたきっかけ

約10年前の大学卒業を控えたある日、博多駅で友人のT君とコーヒーを飲みながら将来のことを話ししていた時、まさに閃いたとしか言いようがない「有機野菜を広める仕事」
田舎に育っただけで、農家出身でも何でもなかったのですが、まさに天職を閃いた瞬間でした。
その後、無給でも!とお願いした私をお給料まで払って研修させてくれたクレヨンハウスのIさん、貧弱な起業プランに出資してくれたたくさんの方、「この仕事はやめとけ!」とアドバイスをくれながら応援してくれたビオ・マーケットのS社長、ベテランの有機の八百屋の皆さん、多くの方の助けを頂いてこの仕事をスタートしました。
丹波では若手の新規就農の皆さんと出会い、井上さんを始め、一緒に頑張ろう!と思える仲間がたくさんできました。家族のように息子のように接してくれたY夫婦には、この事業のベースとなる価値観を教えてもらいました。
これまで事業を何とかやりくりする中で、やっぱり有機農業では食べていけないのか、続けられない・・と悩んだこともありました。それでもここまで8年。やっぱりこの仕事を続けてこられたのは、本当に有機的なつながり、文字通りオーガニックの仲間、先輩達がいたからこそです。
今その輪が大きく広がり、未来の夢がだんだんと輪郭を現し、やりたかったことが実現しようとしています。
現在のアンテナショップで出会ったメンバー、後押ししてくれる先輩達、30年以上有機農業を広げてきた作り手の皆さん、そしてこの東京でご縁のあった方たち。
皆さんの期待に応えるためにも、世の中に新しい価値を持ったビジネスを登場させるためにも、この2年間を一生分の価値ある時間にしたいと思っています。

ひとことメッセージ

人が持って生まれたエネルギーを存分に発揮するためには、農とのつながり、芸術とのつながりが必要だと考えています。大人にとってももちろんですが、子供達にとって、農や芸術と触れることで、感受性が豊かになり、他人を受け入れる心や人生を前に進めるエネルギーを得ることができます。
そのベースが自然の中にあります。自然を受け入れ、自然の力を信じることが、自分を信じ他人を受け入れることにつながります。有機農業の考えもベースはそこにあると思っています。

都会で暮らす人たちにも、農やそこから派生するアートと出会うことで生きる力を得られえること、自分の生を支える大元が農業や大地にあって、そのエネルギーで生かされていることを、もっと感じてほしいと思っています。
私達の事業はただ有機野菜を作ってそれを食べてもらうというだけではなく、有機農業や自然の持つエネルギーで、みんなの生きる力を育むこと、そして同時にそれが地域産業としても継続していけることを目指しています。

 

活動レポート

3年くらい経ったかのように感じたこの1年。

ETIC.を通じて得た仲間はもちろんですが、社内でもレストランスタッフ、流通スタッフ、
インターン生と仲間が増え、忙しくも充実した1年間を過ごすことができました。

まだまだ道のりは遠く一歩ずつのあゆみですが、目標に向かって今何をすべきかを
明確にできたことで、視界は大いに開けています。

次の1年も着実に進んでいきますので、これからもどうぞ宜しくお願いします。

---------------------------------------------------------------------------------【2012/02】

私達の野菜の美味しさを伝えるアンテナショップでもある
「野菜ビストロ Les Legumes」が11月9日に兵庫県西宮市にオープンしました。
http://legumes.jp

Légumes(レギューム)はフランス語で野菜の意味。 地元の顔の見える生産者の有機野菜や明石の魚介など、地産地消にこだわった素材を使い、その持ち味を最大限引き出す料理を気軽なビストロスタイルで提供しています。
テラス席から屋上庭園へと続く最上階の8階 nishinomiya AIR PARK
店内中央にはオリーブの樹。昼間は天井トップライトから降り注ぐ自然光が心地よく、夜は照明を落として落ち着いた雰囲気でビオワインを片手にストウブ料理を楽しんでいただけます。
野菜ビストロ Les Légumes へようこそ! Légumes(レギューム)はフランス語で野菜の意味。 地元の顔の見える生産者の有機野菜や明石の魚介など、地産地消にこだわった素材を使い、その持ち味を最大限引き出す料理を気軽なビストロスタイルで提供しています。
テラス席から屋上庭園へと続く最上階の8階 nishinomiya AIR PARK
店内中央にはオリーブの樹。昼間は天井トップライトから降り注ぐ自然光が心地よく、夜は照明を落として落ち着いた雰囲気でビオワインを片手にストウブ料理を楽しんでいただけます。 

お近くにお越しの際はぜひお立ち寄り下さい!

---------------------------------------------------------------------------------【2011/11】

 

<2011年5月>
いよいよアンテナショップの移転が具体化してきています。
ビル最上階の庭付きという立地条件をいかしつつ、有機野菜の素材の力をどう味わっていただくのか、またどんな楽しさや感動と共に提供できるのか。
様々なアイデアを出しながら検討中です。

CSA(提携個人宅配事業)も6月から夏野菜のお届けを控え、試食会や産地を見学するバスツアーを実施しました。
実際の畑を見たり、料理を食べたり、生産者(ホストファーム)の話しを間近で聞くことで、私達の地域の農業と家族の食卓がつながるイメージがわいてくると思います。
生産者も野菜作りにいっそう真剣に取り組んでいますので、やはり顔の見える関係が大切なのだと日々実感しています。

---------------------------------------------------------------------------------【2011/5】

【事業カテゴリ】
2期生ビジネス支援・産業支援ライフスタイル・食

【団体名/事業名】
地産地消を通じた「有機農業の生きる力を育む産業化」事業 ファームアンドカンパニー株式会社

【活動地域】
兵庫県を中心とした関西地方

【ウェブサイト】
http://hatanbo-k.com

【ブログ】
http://farm-c.jp/

【プロフィール】
1978年生まれ、佐賀県出身。大阪大学工学部で環境工学を専攻。卒業後、アクセンチュア株式会社に入社し、コンサルティング業務に携わるが、長男の誕生を機に退社。2003年、学生時代からの夢であった有機農業を広げ、畑と食卓をつなげる事業を目指し、神戸市でオーガニックの八百屋を開業。ファーマーズマーケットの開催や産地ツアー、保育園での菜園作りなど、農と食、畑とテーブルをつなぐ活動も展開。その後、オーガニックレストラン運営会社と合併し取締役として事業発展に貢献。
2010年、(特活)兵庫県有機農業研究会に参加し、オーガニックシェフの八百屋カフェ「はたんぼ」マネージャーに就任。同時に兵庫県有機農業生産出荷組合事務局長として、新規就農者の支援や販路拡大、地産地消を進める消費者との交流事業などを担う。
2011年、生産者や支援者など約50名の株主からの出資を得てファームアンドカンパニー株式会社を設立し、代表に就任。11月にアンテナレストランでもある「野菜ビストロ レギューム」を開業。

【影響を受けたもの】
思い溢れる生産者、料理人、事業家たちと、サポートしてくれる多くの人から日々影響を受けています!

【座右の銘】
「まあいっか」と何でも受け入れること。執着しすぎないこと。自然を受け入れる有機農業と一緒です。

【オフの過ごし方】
週に一度のブレイクダンスで息抜き&体力づくり。そのあとビールで帳消しに。何事もバランス。