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訪日外国人旅行者向け、日本文化の体験・予約サイト

高橋 理志 /  Masashi Takahashi ( 第2期 )
FINDJPN  

事業概要

僕が事業を通して実現したいのは、「より多くの人が世界を身近に感じられる社会」です。
どんな対人関係においても、相手の状況がわからないことが時に不毛な誤解や不信感を生むことがあります。お互いの環境や習慣、価値観の違いが分かってさえいれば、よりよい理解に努められたかもしれないというのに。
これが外国人同士となると、同じことがより顕著に起こることは想像に難くありません。国という枠組みを越えた問題が年々増え、今後一層の国際協調が必要になっていく中、個人のレベルから異文化への共感力、そして柔軟性を高めていくことは、より多くの人間が幸せになるために意味のあることだと僕は信じています。
外国への旅行は、全く違う文化に触れるとても貴重な機会です。しかしごく一般的な“ガイドブック片手の観光旅行”では、旅先の国を断片的な側面からただ眺めるだけで終わってしまうケースも多く聞こえ、よそゆきではなく生きたその国の姿に触れるという個人としての異文化体験、僕が考えるところの「旅の醍醐味」を得ていないように感じられます。
我々の事業『FindJPN(ファインドジャパン)』は、ユーザーが「旅先の文化や生活を」「地元の人間を介して」体験できるサービスを提供します。利用者は旅先のローカルな人間が主催する幅広いラインナップの体験ツアー(空手や書道の文化体験、築地や秋葉原のディープ観光、家庭での一般的な食事など)をWEB上で閲覧でき、そのまま予約まで完了できます。実体験を伴う、より充実した旅のサポートを通じて、より深い異文化への理解と興味を促すことを目的としています。
ガラパゴスとも揶揄される日本の特殊な文化を紹介し活性化させることにも、もちろん大きな意義を感じます。しかし我々が目指しているのは、あくまでもあらゆる異文化同士のよりよい相互理解です。自国から出ずに旅行者を迎える側だって、大きな気付きを得ることはできる。我々のサービスが、ただ外国人旅行者向けのユニークなツアーを構築・提供するものではなく、国内のサービス提供者を探してきてマッチングするかたちを取っているのは、そのような理念によるものです。
まだサービスを立ち上げたばかりですが、ゆくゆくはこの日本からスタートしたスキームを、世界に拡大させたいと夢見ています。それによって、異文化に気付き、理解を示すことのできる豊かな社会の実現を目指したいのです。

 

事業を始めたきっかけ

昔から異文化に興味を持っており、 大学時代には南米やアジアを中心に30カ国ほどバックパックで旅をしました。社会に出てからはなかなかそんな時間も取れなくなったため、旅行者と一般人の空き部屋をつなぐマッチングサイトを通して外国人を自宅に泊めることで異文化に触れていたのですが、このことが、事業を始めるうえで大きな気付きを僕に与えてくれました。
今までのべ50人以上の外国人旅行者を泊めてきましたが、彼らと話をすると、自分がなんとなくしか知らなかったことや自分の国がどう見られているかといったことが、途端に浮き彫りになります。医療費がかからない国での生活や日本の接客レベルの高さの再認識など、今までぼんやりした知識や想像でしかなかったものが、一気にリアルな実感を伴うのです。旅行とはまた違う発見が個人との対話にはあふれていて、僕のものの見方は彼らと話すたびにいくらでも更新されていきました。
僕が自分の家にいながらにして世界に触れているのと裏腹に、旅行者たちは常におすすめの場所を聞いてきました。彼らは必ずと言っていいほどガイドブックを持ってきていますが、そこには、彼らが望んでいるナマでリアルでローカルでディープな情報は、見つからないのです。彼らが本当に求めている日本での経験とはなんだろう。もっと楽しめるはずだ。そう思った僕は、彼らをあちこちに連れて行きました。茶道体験、相撲部屋の朝稽古、友人とのホームパーティー。彼らはお仕着せのツアーでは得られない経験をし、それを提供した僕もまた感謝される喜びを得ました。と同時に、ビジネスとして成立できる手応えを日に日に感じていったのです。
僕が幸運だったのは、外国人旅行者のリアルなニーズと、体験提供者側の「もっと自分の活動を知ってもらいたい」というニーズの両方に実際に接したことです。そのマッチングをサービスとして確立させることで、双方にハッピーな新しい体験を提供したい。このサービスは絶対に必要だ、そう強く感じました。
なによりも、これは自分がもっと広めたいと願ってきた「その土地のリアルに触れる旅のスタイル」と「異文化体験からの相互理解」を促進するビジネスモデル!!一番このアイディアにエキサイトしたのは、誰をおいても僕のはずです。まさに自分のやりたいことに直結したものを見つけた気がしました。僕はそのときからもう、ずーっとワクワクしたままでいます。

ひとことメッセージ

「自分の作り出したサービスを通じて、本当に世界を変えることができるかもしれない」そう感じながらものづくりをするのは、とてもエキサイティングです。 過去にAirbnbが僕を変えたように、FindJPNを人に新しい価値を与えられるような仕組みに育てたいと思っています。
より多くの人に異文化と触れ合う楽しさを提供して、それをビジネスとして成立させるべく奮闘している毎日はとても楽しいです。志を持った方とどんどん連携してうねりを大きくしていきたいと思っています!ご興味をお持ちいただけましたら、ぜひお気軽にお声がけ下さい。

 

活動レポート

サイトオープン後、2週間で既にユーザーに利用され、高評価をもらっています。

  • 8月2日のオープン以降、想定していたペースを上回る形で順調に立ち上がっており、リリース直後の新サービスであるにもかかわらず、既に5人の方に7コンテンツ利用して頂きました。「ガイドブックにはないような何か特別な体験がしたい」というターゲット消費者のニーズに、サービスコンセプトが合致したことが、最大の要因です。http://findjpn.com/top/voice

今後のインバウンドの切り札として、国内、海外のテレビ番組で本事業が取り上げられています。

  • 世界中に日本の魅力や、楽しんでいる旅行者を発信することで、震災後の観光客の回復と日本のイメージ改善に貢献しています。
  • また、積極的なメディア露出を今後も続けていくことで、利用者数の伸びが期待できます。

コンテンツ掲載依頼、事業提携依頼が殺到しております。

  • 積極的に営業をしていないにもかかわらず、週3~4件程度掲載依頼が来ております。「外国人向けのPRを考えていた時にFindJPNをみつけました。」といった声を多数いただいております。今後、積極的に営業していくことで、コンテンツのさらなる安定的な獲得が見込まれます。
  • また、日本最大の在住の外国人向け生活情報サイトGaijinPotを運営する株式会社ジープラス・メディアへコンテンツ提供とイベントの共同開催が決まりました。

国内のメジャーStart up企業支援プログラムから支援が決定しました。

事業のアクセルを踏めるチームができました。

  • 取締役としてフルタイム技術者1名、土日にコミットしてくれる技術1名、外国人パートタイムスタッフ3名(マーケティング、技術者、翻訳)がチームに加わりました。

 

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【事業カテゴリ】
2期生コンテンツ・エンターテイメント国際協力・国際交流

【団体名/事業名】
FINDJPN

【活動地域】
東京

【ウェブサイト】
http://findjpn.com/

【ブログ】
http://hibiasobu.com/

【プロフィール】
慶應義塾大学総合政策学部を卒業
エネルギー溢れる学生。世の中を変えたいと考え、NPOの立ち上げやイベントの企画などを行う。さまざまな活動を通して、楽しみながら心を開いて、新しい認識を取り入れられるような仕組みを作りたい、と思うようになる

2006年 コンサルティング会社A.T. Kearneyへ入社
仕組みを作るためにも、まずはビジネスを創れる人になろうと考え経営コンサルタントに。「論理的に考えること」をみっちりと叩き込まれる日々

2008年 友人のベンチャー企業Cyta.jpに参画
大学の同級生が立ち上げた会社に3人目の社員として入社。顧客向けビジネスの基礎を学ぶとともに、まっさらな状態からサービスを創っていくことの楽しさを知る

2011年 FindJPNを立ち上げ
自分たちのアクションによってどんどん状況が変わる毎日。そんな充実した日々に負けないサービスの実現を目指し奮闘中

【影響を受けたもの】
ダライ・ラマ、マザー・テレサ、福沢諭吉、茨木のり子、大橋禅太郎、高木正勝、糸井重里、「ダークナイト」「自分をいかして生きる」

【座右の銘】
日々遊ぶ

【オフの過ごし方】
友達とご飯。よく寝る。映画、音楽のイベントに行く。料理を作る。異国へ放浪。