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バングラデシュでの工場専門カウンセラー 労働環境評価・改善事業

青沼 愛 /  Ai Aonuma ( 第2期 )
ek sathe -エクシャテ  

事業概要

工場専門カウンセラー 
        相談できる人がいる安心

■事業内容 
・労働環境調査事業
・労働環境改善コンサルタント事業
・コンプライアンス認証普及・支援事業

海外工場の労働環境を調査し評価。正確な現状分析をサポートするとともに、改善へむけてのコンサルティングを行うことで、優良な現地工場の育成を促進していく。

生産工場の現状をきちんと把握するだけでなく、そこから抽出された課題点をもとに、適切な事業戦略の立案、現地との関係構築、工場内コミュニケーションを促し、工場全体の労働環境を整えることを目的とする。これにより安定した工場体制、優秀な人材の確保といった、信頼できる工場の育成をサポートする

■アプローチ方法 【図1参照】
1.工場カウンセリングからの改善コンサルティング
  工場の現状調査を行い、従業員の状況を把握。従業員に焦点をあて、そこで抽出された課題をもとに戦略の立案・現地関係の構築・コミュニケーションの促進を行う。

2.認証規格のシステム導入からの改善
  認証規格をもとに、環境を整備。工場管理のシステムを導入し労働環境を整えていくことで現地関係の構築、コミュニケーションの促進を促す

 

事業を始めたきっかけ

「バングラデシュでの衝撃」
大学1年の冬休み、当時世界最貧国のひとつであったバングラデシュで行われるボランティアに参加。初めて目の当りにする貧困という現実、生まれながらに決められたチャンスの少ない世界で生きる彼らに会い、世界の不平等な現実に強い衝撃を受けました。そして今日を生きることに精一杯で、将来の夢を抱けない子どもたちがいることを知り、少しでも彼らの力になりたいという想いから、帰国後、バングラデシュの働く子どもたちのための学校(Non Formal Primary Education)を支援する団体を立ち上げました。

「発展の裏側にある現実」
学校の支援を始め今年で8年目になりますが、バングラデシュでは経済発展が急速に進んでいます。訪れる度に、発展の早さに驚かされ、ビジネスの及ぼす影響の大きさを感じます。しかし、その一方で経済発展が生む悲しい現実があるのも事実です。支援先の学校では、貧しさの為都会へ出稼ぎに行かなければならず、ドロップアウトせざるを得ない生徒もいます。そしてそういった生徒やその両親が働いている工場は決して安心して働ける環境とはいえません。劣悪な生産体制、児童労働、低賃金や賃金未払いの問題、工場での事故やストライキなどの暴動による事故など、労働環境に関する問題は数多く存在しています。

「人が人らしく楽しく働け、暮らせる社会を目指して」
せっかく経済が発展してきているにも関わらず、その裏側で過酷な労働環境が存在し、弱い立場の人たちが追い込まれている現実があります。そんなかれらの生活を犠牲にしてできた商品が私たちの生活にも存在します。悲しい犠牲の上の発展ではなく、健全な発展へ導くシステムが必要だと考えます。また、パートナーを結ぶ先進国の企業側にも社会問題に対する高い意識が必要であり、海外取引時の新たな常識を提案していくことで、人が人らしく楽しく働け、暮らせる社会を世界中に広めていきたいと事業の立ち上げを決意いたしました。

ek sathe-エクシャテとはベンガル語で“一緒に”という意味。
それぞれの立場の人が一緒に築く未来をめざして

ひとことメッセージ

途上国が経済発展する過程において、利益ばかりが過度に優先され、労働環境は軽視されがちです。立場の弱い人々は安価な労働力としか見られず、劣悪な環境で働かざるを得ない現実があります。また、管理者の意識の低さから就業中の事故が頻発する等、安全安心な労働環境とは言い難い状況です。

一方、強い立場であるはずのバイヤーが現地の正確な情報を得ることが難しく、現地からの一方的な情報に頼らざるを得ない状況も労働環境が改善されない要因の一つです。信頼できる情報が得にくいことで、予期せぬトラブルや現地とのミスコミュニケーションを生んでいます。

汚職や賄賂が蔓延する途上国では信頼できる存在をみつけるのも大変なことです。

バイヤーにも、現地工場の労働者やオーナーにも、正確な情報を共有でき、相談できる存在が必要です。私たちは彼らのそんな存在を目指しています。

児童労働や不当労働、差別、レイプ、暴力といった根深い課題ばかりですが、改善される余地は大いにあります。労働環境や人権問題、労働者のケア等、ご関心がある方いつでもご連絡ください。

バイヤーである先進国とサプライヤーである途上国、双方のプラットフォームを一緒に創りましょう。

 

活動レポート

現在のところ、活動レポートはありません。

【事業カテゴリ】
2期生ビジネス支援・産業支援人権・平和

【団体名/事業名】
ek sathe -エクシャテ

【活動地域】
バングラデシュ

【ウェブサイト】
http://eksathe.com/

【ブログ】
http://eksathe.blogspot.com/

【プロフィール】
2004年バングラデシュを訪れる。厳しい現実を目の当りにし、強い衝撃を受ける。帰国後、バングラデシュの教育支援団体を有志で立ち上げる。世界に興味を持ちバックパッカーの旅にはまる。アメリカ留学後、外資系ビジネスイベント会社に就職、グローバル企業を対象にした工場管理、次世代自動車、マーケティングなど多岐に渡るイベントを担当。その後SRI(Social Responsibility Investment)投資助言やCSR調査を行う会社にて、アナリストとして従事。現在はAoyamaBusinessSchool/MBAコースに在籍中。社会人を中心にしたボランティア団体の設立に関わるなど、途上国の課題へ様々なアプローチで活動するなか、ビジネスを通じた課題解決に可性を感じ事業立ち上げを決意。現在に至る。

【影響を受けたもの】
父、母、兄、バングラデシュ、戦争についての本や写真集、龍馬がゆく、罪と罰

【座右の銘】

【オフの過ごし方】
夏はサーフィン 冬はスノーボード