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大地に根ざした地球共生型職業人“アースカラー”の育成・輩出

高浜 大介 /  Daisuke Takahama ( 第1期 )
株式会社アースカラー  

事業概要

■企業ビジョン
行き詰まりを見せる大量生産・大量消費型の社会経済システムから持続可能な社会経済システムへとスムーズな移行を達成する

■企業ミッション
地球共生型職業人“アースカラー”のライフスタイルとワークカルチャーを創出し、その実践人材を育成・輩出する

■事業
“アースカラー”を以下二種類に分けて育成・輩出する事業を行う。

【都市アースカラー】
主に企業を対象にして、21世紀に求められる共生的“アースカラ―”な組織づくり、人材づくりを支援する事業を展開する。プラットフォームとしてアースカラービジネススクール事業を中心に据える。http://www.earthcolor-buisiness.jp/
個社別には、社員の環境共生意識を高める教育サービスの提供、自他と共生する自主自律した組織・人材開発プログラムの提供など。

【地方アースカラー】
失業者、心身の不調者、将来のキャリアに不安を持つ人など、都会生活に限界を感じオルタナティブライフスタイルを求める人々に対し、洗練された田舎暮らしという生き方・働き方を提案する。具体的には、「半農半X(エックス)」のライフスタイルを実現できるためのプラットフォームとネットワークをワンストップで提供する。定期的なセミナーや地方移住に必要な事を学ぶ「アースカラー半農半X道場」の提供、半農半X先駆者のネットワークなども提供する。
また、自治体や地方商工団体、農業系団体に対して持続可能なコミュニティビジネスの研修サービスも提供する。

■事業戦略
都市アースカラー育成事業を企業向けサービスとして収益の柱とする。サステイナブル、グリーン志向を強める企業が顧客。一方、地方アースカラーの育成事業である「アースカラー半農半X道場」はBtoCがメインとなるため、収益事業としては厳しいという結論に達している。確立できればとても意義が大きい「半農半X」の成功者作り、成功モデルを少しづつ生み出し、何とか継続して実績を積みあげていくことを考える。

 

事業を始めたきっかけ

私は、人材育成コンサルティング企業に4年間勤め、農業関連のNPOにも関わり、都市と農村両方の問題を目の当たりにした。

【目の当たりにした都心の問題】
 都心の失業率は上がる一方である。また、従来の日本の典型的な人生モデル「よい大学を出て、大企業に就職し、終身雇用の中で年功賃金をもらって定年まで働く」は既に幻想となった。中でも30歳~50歳未満の働き盛り世代の方々は約束されていたはずのレールが無くなり、働き方、生き方の再考を迫られている。加えてグローバル競争は激しさを増し、過度の生産性向上志向、性悪説に基づいた内部統制やコンプライアンス規制、厳しくなっている消費者要求への対応などで、心身ともに疲弊しているビジネスパーソンが多く存在している。
また、都市への人口集中(都市機能の拡大)、大量生産大量消費社会が地球を持続不可能な状態にまで破壊していることも大きな問題である。

【目の当たりにした地方の問題】
 地方は出口の見えない負のスパイラルが続いている。具体的には、産業(雇用)の不足⇒人材の流出・経済の停滞⇒過疎化・高齢化⇒産業(雇用)の不足・・(以降ループ)。これらは単に地方が衰退するという話ではなく、日本の安全保障問題、目指す国家モデルに密接に関わる(例えば、第一次産業従事者の減少⇒食糧自給率の更なる減少⇒食の輸入依存⇒国家の安全保障問題)。
 また、日本は世界に類を見ない肥沃な国土、豊かな自然資源(森林や河川、水源など)を持つが、これらの管理を行う第一次産業を日本人が担えないとなれば、早晩、移民の受入や外国資本の参入を許すほかなく、このままだと日本の都市生活は危機を迎える可能性が高い。
  
【描きたい未来】
 都市人口の一極集中を解消し、人口のバランスを是正したい。そのためには「半農半X」などのように、都心人材が地方で生きるという選択肢が増えることで、生き方・働き方を自主的に選択し、精神的に自立した人を増やす。経済成長ではない新しい幸福の軸を各人が語り実践できる社会を構築したい。結果的に、多様な生き方・働き方が容認される社会となる。また、都市では産業人の環境意識が高まり、効率一辺倒ではない心有る経済活動が主流となり、都市と農村のバランスの取れた持続可能な社会が出現する。
 
 

ひとことメッセージ

不安定な世界経済、頻発する天災、社会不安は増大しています。震災被害も大変深刻で、将来に光が見えづらい社会環境です。論理的、長期的に考えれば暗いことばかりです。
しかし今の私はとても幸せです。年収はガクンと下がりましたが、生活に農を取り入れ、大地や地域に根ざした暮らしをすることで形容しがたい安心感と充実感を持っています。今、世界は価値観の大転換期です。これまでの価値観や旧来型の施策では太刀打ちできません。幸福度のものさしも変化し、「生きる」とは何かを人類が考え始めています。
私たちが率先して新しいライフスタイル、ビジネスを実践し、世の中にアースカラー人材を増やしていけるよう努力していきます。
まずは一緒に農業を始めましょう、そして地球と共生できるビジネスや生業づくりを探求しましょう!

 

活動レポート

【セミナー開催報告】
第二回目の当社セミナーを10月17日に開催いたしました。

第一部■
「21世紀を生き抜くために必要な考え方とは?
~地球環境、経済・労働環境のこれからを鑑みて~」

登壇者
◎星野克美 (多摩大学名誉教授)
主著 『地球環境文明論』( http://bit.ly/9Qv2Gw%EF%BC%89

◎髙坂勝 (オーガニック・バー「たまにはTSUKIでも眺めましょ」店主)
近著 『減速して生きる~ダウンシフターズ~』(幻冬舎)

ファシリテーター : 株式会社アースカラー 高浜大介

●地球環境危機時代の地域防衛・生活防衛とは?
※石油枯渇問題や、水不足問題などのマクロな視点から、21世紀のあり方を提示。

●21世紀型ライフスタイルの提案 ~半農半Xとミニマム主義~
※経済成長の限界による労働環境の悪化など、ミクロな視点から21世紀を生き抜くためのライフスタイルを提案。

●事例紹介 映像上映と解説
鴨川自然王国( http://bit.ly/b4L2Nn )でのイベント、鴨川にて半農半Xを実践されている方のインタビュー。

■アンケート回答
定量回答:4.6(5段階評価の平均値)
定性回答:・膨大な資料に基づいてお話があり、とても説得力がありました。
・星野先生の講演はマクロ視点が徹底していてぶれがなくてとても分かりやすかったです。
・高坂さんの講演は面白かった。年収が600万円⇒350万円へ変化したが、可処分所得と可処分時間が増えたことでいかにハッピーかが伝わってきてその発想転換(ミニマム主義)の大事さがよくわかった。

(目ぼしいものを抜粋)

とても高評価でした!

■第二部■
ワールドカフェ 「自分と社会を幸せにする新たな生き方・働き方とは?」
~幸福の新尺度とは?社会・経済・暮らしの視点から考察する~
ファシリテーター : 株式会社アースカラー 高浜大介

※ワールドカフェ・・・ 個人を尊重し、創造的な対話を促進するディスカッションの一手法
http://www.humanvalue.co.jp/service/wcafe/

■アンケート回答
定量回答:4.3(5段階評価の平均値)
定性回答:・講演の聴講が目的でした。しかし、ワールドカフェに参加すると意外に話に加われて自分でも驚きでした。
・めちゃくちゃ勉強になりました。他でも実践したい。

(目ぼしいものを抜粋)

やはりワールドカフェは安定した人気です。皆さん話しだせば止まらなくなるものです。

■第三部■
「株式会社アースカラーの考える半農半Xと実践方法」

コーディネーター 株式会社アースカラー 高浜大介

●ビジネスパーソンが半農半Xを実践するためのモデル
●株式会社アースカラーの今後の取り組みとサービスのご紹介

■アンケート回答
定量回答:3.8(5段階評価の平均値)
定性回答:・アースカラーの事業がよくわかりました!
・スライドを飛ばすのが早すぎる、メモが取れない
(目ぼしいものを抜粋)

第一部、第二部が時間的に白熱したため、当初予定の半分の時間のプレゼンになってしまいました。そのため早口で情報量が多い、ということで消化不良の方が多かったように思われます。反省です~


これからも手を変え品を変え、啓蒙活動に励みます。
異常気象が続き、エネルギー問題、食の問題など
都会人が自ら重要性に気付き、行動を起こす必要性を本当に感じます。

ご参加頂きました方々、誠に有難うございました!

---------------------------------------------------------------------------------【2010/11】

【事業カテゴリ】
1期生ビジネス支援・産業支援ライフスタイル・食

【団体名/事業名】
株式会社アースカラー

【活動地域】
東京都、千葉県ほか

【ウェブサイト】
http://www.earthcolor.jp/index.php

【ブログ】
http://earthcolor.sblo.jp/

【プロフィール】
大学卒業後、東証一部上場のグローバル企業、ベンチャー中小企業に勤務。また、NPO法人数社の設立・運営にも携わる。 2010年7月に株式会社アースカラーを設立。ホワイトカラーでもブルーカラーでもない地球と共生する職業人“アースカラー”人材の育成・輩出を使命として活動している。
2010年夏より千葉県匝瑳(そうさ)市での田舎暮らしを始め、都心と田舎の二重生活をしながら半農半X(エックス)を実践中。今年は白米と古代米の田んぼ合計約4反歩(1,200坪)の米作りを実施。一連の生活を通じて都市(西欧的)と農村(日本的)の価値観の違いを体感しながら、万物と共生する新しい日本型企業経営のモデルを模索中。

【影響を受けたもの】
●本 ミヒャエルエンデ「エンデの遺言 根源からお金を問うこと」 
●人 田坂広志さん、内山節さん、内橋克人さん
●映画 「素晴らしき哉、人生!」

【座右の銘】

【オフの過ごし方】
農作業と終了後の食事とお酒、映画鑑賞、読書