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社会の中でつまづいた若者たちに次の一歩を提供する

安田 祐輔 /  Yusuke Yasuda ( 第1期 )
NPO法人キズキ  

事業概要

「何度でもやり直せる社会を作る」ことを目標に、2010年に社会起業塾を卒業後、2011年夏に法人化し、事業を本格化。2015年現在、国内では中退・不登校の若者を対象とした受験塾、大学・専門学校の職員研修・講師派遣、引きこもり等の若者の就労支援、国外ではベトナムへのインターンシップ事業やレストラン経営などを行っています。」

》最新のインタビューはこちら: http://www.kaeruchikara.jp/kaeruhito/1662/

 

事業を始めたきっかけ

私自身、幼い頃から家庭環境に恵まれず、小学校を卒業してからは住む場所、住む人を転々として生活してきました。どこにも居場所が見つけられず、夜の街を彷徨い、いつのまにか学校にもほとんど行かなくなりました。

自分が何をしたいのかも分からず、その生活から抜け出す希望を見出せず、鬱屈した毎日を送っていました。

そんな自分を「変えよう」と思ったのは、18歳の時です。

9.11、イラク戦争と世界が動いていて、その中で苦しんでいる人々がいることを知った時、「自分に何かできることはないか」「何か社会のためになることができないか」と悩んだ末、国際問題を学ぶため、そして自分を変えるために大学受験を志します。

中学時代の勉強からやり直し、二年間の猛勉強を経て20歳の時ようやく母校の大学に合格しました。

大学入学してから卒業後に至るまでは、パレスチナ、ルーマニア、バングラデシュといった国々で紛争や貧困問題に関わっていました。

そして私がバングラデシュに住んでいた2008年、日本ではリーマンショックによる大不況、派遣切りなど日本の貧困がクローズアップされ始めました。

私は日本に帰国し、東京の山谷地区でホームレスと一般市民の対話集会を開いたりしながら、日本社会について勉強を深めました。

その中で気づいたことは、発展途上国は確かに貧しかったものの、そこには「希望」があったということです。日本の高度経済成長期のように、その先に輝かしい未来が待っていると信じて、発展途上国に生きる彼らの多くは生活していました。

しかし日本社会には「希望」がありませんでした。エリート達は閉塞感の漂う社会の中で何が自分のやりたいことなのか悩み、一度貧困に陥ってしまった者はそこから這い上がれず、未来への希望を失っていました。
たとえどんな環境で生まれ育ったとしても、たとえ人生のレールから外れてしまっても、未来が見えなくなったとしても、それでも一筋の希望の光を持てるような「チャンス」を提供したい。
それが私の思いです。

ひとことメッセージ

この事業を始めるにあたって、本当に悩みました。安定した大企業の社員という職を捨てるのか、経験が生かせる海外でではなく日本での事業でいいのか…

それでも私には、この社会でどうしてもやりたいことがありました。そして、事業を立ち上げようと思ってすぐに応募した「社会起業塾イニシアティブ」「スタートアップマーケット」の選考を幸運にも通過した時、ようやくその事業に向けた一歩を踏み出せたと思えました。

とはいえ、教育・福祉分野の素人、起業に至ってはもっと素人な状態です。今後は、当初の「思い」を忘れないようにしながら、自分のやりたいことを「事業」として回していくため、最大限の努力をしていくつもりです。事業戦略を練ることの出来る方、教育業界に長年携われている方、また「思い」に共感して頂ける全ての方々の協力が頂ければ幸いです。よろしくお願いいたします。

 

活動レポート

現在のところ、活動レポートはありません。

【事業カテゴリ】
1期生就職・就労支援・キャリア教育教育・こどもの健全育成

【団体名/事業名】
NPO法人キズキ

【活動地域】
東京・神奈川・埼玉

【ウェブサイト】
http://kizuki.or.jp/

【ブログ】
http://yasudayusuke1005.wordpress.com/

【プロフィール】
NPO法人キズキ理事長。1983年、神奈川県横浜市生まれ、ICU(国際基督教大学)教養学部国際関係学科卒。在学中にイスラエル・パレスチナで平和構築関連のNGOを組織した後、一時大学を休学しルーマニアの研究機関に勤務。主に紛争解決に向けたワークショップのコーディネートなどを行う。帰国後は、在学中から卒業後に至るまで、バングラデシュの娼婦街にて現地の学生、NGOと協力してドキュメンタリー映画を製作(現在は編集作業中)。2009年からは日本に在住し、総合商社にて油田権益投資に関わった後、NPO法人キズキ設立。

【影響を受けたもの】
映画:エミール・クストリッツァ「アンダーグラウンド」、本:夏目漱石「それから」など

【座右の銘】
It is not half so important to know as to feel

【オフの過ごし方】
ひたすら寝る。