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がん患者のトータルライフケアサポート事業。

三田 果菜 /  Kana Sanda ( 第1期 )
Happy Beauty Project  

事業概要

2人に1人ががんを罹患し、3人に1人ががんで死亡する時代だと言われています。実際に毎年60万人もの人が罹患しており、罹患者数は増加傾向にあります。

そんながんになった人たちを支える人たちは現在、医療従事者、ウィッグメーカー、家族や患者会など、限られており、サポートしている役割、方法や状況も様々で、連携が十分になされていません。

がんになると患者やその本人を取り巻く家族らの悩みも様々で、それを解決する為に病院を退院してから1人で(もしくは家族と)立ち向かっていかなければなりません。がんを治してくれる病院では、基本的な情報を提供されるのみで、日常生活へ戻っていく為のサポートなどは現在一切ありません。

しかし、上記の通りがん患者は沢山存在しているのです。治療の為に費用がかかる、支払う為に働き続けなければならない、外見やがんそのもののイメージから離職せざるを得ない、しんどい身体をひきずりながら家のことをしなければならない。しかも、治療が終了しても再発の恐怖や経過観察に目を配らなければならない…がんは一生その人の今後を変えてしまうのです。部分部分のサポートではなく、患者らが日常生活に悩むことなく、不安を感じることにはしっかりと全体的なサポートがなされる状態を作っていかなければなりません。

がんになった瞬間から、総合的に必要な支援を受けることが出来るように、必要な団体と連携・連絡し合い、商品はもちろん、情報や機会の提供も含め患者の5年後、10年後まで必要なことを見据えてサポートします。個々のサポートも含め、徐々に横の繋がりとしてのコミュニティー形成も見据えます。

また、がんで損なう外見に特化して言えば、本来美容のプロである理美容師ががん患者をサポート出来ないのが現状である。トータルなサポートを展開していく上で、理美容師の教育も含めて行い、プロフェッショナルとして社会全体でサポートできるようにする。完全な「社会復帰までが治療」がレギュラーな社会をつくりたいと思っています。

 

事業を始めたきっかけ

私が16歳の時、家族ががんになりました。抗がん剤投与を行い、見た目がどんどん変わって行く家族を見ているのは非常に心苦しかったです。しかし、そんな私たち家族を救ってくれたのは、美容の「知識」でした。「毛根が死んでいない限りまた生えてくること」「ウィッグやつけまつげで『補うメイク』が出来るということ」など、容姿を整えるためのありとあらゆる知識が、理美容関係者だった両親にはあったおかげで、気持ちが軽くなったのです。
 
このような経験を経て、「こういったサポートを受けられないご家族はどうしているのだろう?」と疑問を持つと同時に、カツラメーカーでもない、病院でもない立場から、悩んでおられる方やその家族に出来ることが「美容師」という立場からあるのではないか?という思いに至りました。

また、当事者たちに話を聞くなかで、ウィッグメーカーやサポート団体が多いにも関わらず多くの人が外見への悩み等を抱えていることに実際に直面し、がん患者に特化した美容面のサポートの必要性を知りました。一番の近道としてまず、自身が大学に通いながら美容師免許を取得し、美容を扱えるようにしました。

2009年秋頃より、患者らにヒアリングを行い、徐々にサポートを展開していきました。2010年2月には新聞紙面に取り上げられたことがきっかけで、安定して患者らが訪ねて来てくれるようになりました。

1人1人にあった徹底した個別サポートを行ってきました。しかし、患者の抱える悩みや問題は膨大で、訪ねて来て下さる方以外の患者らを取り巻く環境(医療機関など)は現在の状況をがらりと変えなければ一切変わる気配もないことに気付き、個別のこのままでは結局何も変わらないと思いました。その時より、社会全体で患者を支えることが出来、がんになっても困らない社会をつくりたいと思うようになりました。

ひとことメッセージ

がんの問題に取り組もうとしている人は沢山いますが、全体を通してサポートしてくれるようなサポートはありません。連携・協力をして頂いたこの機会を無駄にすることなくがん患者を取り巻く環境を変えていくことが出来るように頑張りたいと思います。みなさま今後ともよろしくお願い致します。

 

活動レポート

現在のところ、活動レポートはありません。

【事業カテゴリ】
1期生ライフスタイル・食医療・福祉・健康

【団体名/事業名】
Happy Beauty Project

【活動地域】
京都府、東京都

【ウェブサイト】
http://www.happybp.com

【ブログ】
http://ameblo.jp/happybp/

【プロフィール】
理美容業の魅力とトータルで学ぶことの大切さに気付き、ヘア・メイク・ネイル等トータルで学ぶ。「美容術で女性とまちを元気にする!」をコンセプトに2007年から美容をツールとした企画・コーディネート・出張ネイル・美容専門通訳等を行ってきた。2009年4月起業。2009年4月より博士後期課程在籍中。
2002年9月 京都理容美容専修学校理容科修了
2007年9月 京都理容美容専修学校美容科修了
2007年10月 美容師国家資格取得
2007年11月 Vidal Sassoon Classic Course Diploma 取得
2008年8月 Westmore Academy of Cosmetic Arts Advanced training
in Beauty Makeup and Fashion Makeup Certification 取得
2009年3月 同志社大学大学院総合政策科学研究科ソーシャル・イノベーション研究コース修了

【影響を受けたもの】
本「おしゃれの哲学」、スターバックス、海外での生活。

【座右の銘】
(1)"Ask and it will be given to you; seek and you will find; knock and the door will be opened to you.For everyone who asks receives; those who seek find; and to those who knock, the door will be opened.
(2)「なんとかなる。」

【オフの過ごし方】
映画を観る。