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地域がつながる「おすそわけ」事業

北池 智一郎 /  Tomoichiro Kitaike ( 第1期 )
株式会社タウンキッチン   代表取締役

事業概要

<strong>ミッション</strong>
『心の豊かさがつながる社会の創造』

日常生活を地域で支え合うことが出来れば、思いやりのある社会が生まれる!

タウンキッチンは日常の食事を通じて、地域にたくさんの「ありがとう」を生み出し、心豊かな社会の創造を目指します。

<strong>事業内容</strong>
一人暮らしの高齢者、共働き世帯の子供たち、地方出身の単身者など、地域には食に不自由している人がたくさんいます。彼等、彼女等は、日常の食事をファストフードやコンビニで済ませており、それを良しと思っていないものの、自分たちではどうすることもできないのが現状です。

そういった「心の貧しい」食事を食べる人々のために、地域のお母さんが作る愛情のこもった手づくりの家庭の味を提供する「おすそわけコミュニティ」を作り、人々が地域に支えてもらった・育ててもらったと実感できる社会を目指します。

作り手となる地域の主婦(タウンシェフ)は、通常のパート・アルバイトと違い、「経済的報酬」ではなく、「社会的報酬」つまり、お金以外の部分に働き甲斐を求めていただくことを前提としています。

そのため、毎日長時間決められたメニューを料理するといった働き方ではなく、料理好きの主婦、食に関心の高い主婦、自由な時間を地域のためや人のために役立てたいと考える主婦を中心に、自慢の腕をふるってもらうことでやりがいを発見し、手料理を食べて喜ぶ姿を見てさらに充実感を得ていただきます。

そういった経済的な価値以外のものに喜びを感じていただく中で、作り手と食べ手との間に「ココロ」のつながりが生まれ、ありがとうを流通させるシステムを構築します。

 

事業を始めたきっかけ

経済的合理性の追求が「モノ」の豊かさを実現する一方で、「ココロ」の豊かさがなくなりつつある現代社会において、人のぬくもり、あたたかさ、助け合い、といったものの価値や、それを実現する地域コミュニティの重要性が問われています。

実際、従来は当たり前に行われていた地域社会での支え合いが無くなってきており、いわゆる「無縁社会」が到来しています。その結果、高齢者の孤独死、子育て問題など、地域における問題が後を絶ちません。こういった地域課題を解決するために、日常生活を地域で支え合うプラットフォームを構築し、相互扶助機能を持ったまちづくりを目指すことが重要だと考えます。

タウンキッチンは、全ての人にとって毎日欠かせない「食」に着目し、「日常の食事」を地域で支え合う生活の実現を通して、心の豊かさがつながる地域社会の再生を目指します。

地域住民による「食」を通じた支え合いコミュニティが、社会の当たり前のインフラとなるために、2025年までに東京を中心とした関東圏において、200の支え合いコミュニティを生むことを目標とします。

ひとことメッセージ

私たちのおすそわけ事業は、食を通じた相互扶助機能を持つまちづくりプログラムです。

次の世代が「こんな街に生まれて育ってよかった」と思えるまちづくり。「ありがとう」が循環する地域社会づくり。そんな心豊かな社会の創造を目指して活動しています。

<私たちの挑戦>
・地域のシニアや主婦の持つノウハウやエネルギーを活かした地域コミュニティの再生
・相互扶助機能を持ったまちづくり、隣近所との支え合いがある地域づくり
・働き口のないシニアの雇用創出
・商店街の空き店舗の活用による商店街活性化
・地元野菜の積極活用による地産地消の推進
・共働き世帯や母子・父子家庭の子供たちや、一人住まいの高齢者など、食に不自由な地域住民の食生活を解決する新しい社会インフラの構築
・大量消費時代を前提とした本部一括の集約モデルではなく、地域で完結する新しい事業モデルの創造

 

活動レポート

7,8,9月は学園坂タウンキッチンとして初めての夏を経験。通常オペレーションをする中で色々な問題などもあったが、大きな事件事故なく夏を終えられたことが収穫である。人材面で正社員が退社するなど当初の計画通りに進まないことが多くあり、内部組織体制の弱さを痛感した。人件費を大きくかけられない中でいかにオペレーションをまわしつつ新たな一手を打つか、自分自身の立ち居地を含めて見直す必要があるように感じる。
----------------------------------------------------------------------------------【2011/9】

タウンシェフ(有償ボランティアスタッフ)のモチベーションアップおよび地域をつなげるまちづくり機能の強化に向けて、学園坂タウンキッチンの隣の空き物件に新たにコミュニティスペースを設置。場ができたことで、今までと違った人の流れが出来つつあり、また人と人の交流が進んだように感じる。
この場所を単なるカフェとしての場とせず、地域のいろいろな人の活躍の場としてコミュニティスペース化するため、現在は小平の100を越える団体に対して説明に回っており、そういった団体が主体となった「たまり場」作りを目指している。
一方で、この場所の運営委員会などの体制づくりが進んでおらず、更なる広がりを作っていくための運営体制の整備が今後の課題である。

 

----------------------------------------------------------------------------------【2011/6】

 

メディア掲載

シェフは街のお母さん。“おすそわけ”から、つながる・ひろがる「TOWN KITCHEN」の取り組み(greenz.jp、2011年6月18日)

 

【事業カテゴリ】
1期生ライフスタイル・食地域活性・街づくり

【団体名/事業名】
株式会社タウンキッチン

【活動地域】
東京 多摩地区(三鷹、小平など)

【ウェブサイト】
http://town-kitchen.com/

【ブログ】
http://townkitchen.seesaa.net/

【プロフィール】
1976年大阪生まれ。大阪大学工学部を卒業後、 コンサルティングファームの朝日アーサーアンダーセン(現プライスウォーターハウスクーパース コンサルタント)にて中央省庁、国立・私立大学などに対する経営戦略策定、人事制度・組織設計、業務改革などを従事。2005年より、外食ベンチャーのリンク・ワンにおいて、大手ファストフードチェーンやコンビニチェーンをはじめ、多くの外食・小売業に対する教育研修・コンサルティングを実施。店長、 SV向け教育研修、オペレーション改善によるコスト削減、人事制度設計、組織風土活性化支援、フランチャイズ本部構築、などの支援実績を持つ。
2008年に独立した後、商店街起業研修講師や、外食・流通企業向けの教育研修に従事しながら、NPO法人KOMPOSITION事務局やボランティア団体の組成、農商工連携NPOの監事に就任。2009年より任意団体TOWN KITCHENを立ち上げ食を通じたコミュニティビジネスの事業化を目指す。2009年度NEC社会起業塾(現社会起業塾イニシアティブ)に選出。

【影響を受けたもの】
バックパックで巡った36カ国での人々との出会い

【座右の銘】
笑う門には福来る

【オフの過ごし方】
10ヶ月になる娘とお買い物