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小さく集めて大きく育てる、小額寄付システム「KISIN - 寄進」

塙 創平 /  Sohei Hanawa ( 第3期 )
NPOソシアル/KISIN  

事業概要

 思い出してください。
 自分たちのことは自分たちでやる、という社会だったことを。
 今の私たちがあまり「寄付」をしていなくても、我々の礎を作った人たちは「寄」って集まって、物事を「進」めていたことを。
  私たちは、寄付の仕組みをネットワークすることで、「自分たち」の枠を広げ、こんな社会を思い出すお手伝いをします!
 これが実現した暁には、寄付文化の復興を実現していることでしょう。
 キーワードは、「領収証」と「感動」です。世界でも最高レベルにまで整った寄付税制を生かさない手はありません。

<事業内容>
「クレジットカードで寄付を集めるにはどうすればいいの?どの業者がいい?」
「まず何からやればいいの?」
「これから法人格をとるんだけど、どの法人格がいい?」
 まずは私達にご相談ください。
 KISIN(寄付の仕組みネットワーク)は、寄付の流れ(①寄付集め、②寄付受付、③決済、④領収証等の発行、⑤寄付をしてくださった方との関係構築)をトータルコーディネートします。
 私たちは、各団体の強みが発揮しにくい②~④について、提携すべき企業(クレジットカード会社等)やシステム、法的枠組みを各団体のニーズにあわせて提案・導入します。そして、NPO・公益団体等のみなさんは、支援者と接し、活動や受益者の魅力を伝える①と⑤に専念できるようになります。

 私たちは、各団体の寄付集めをお手伝いするウェブサイトを運営します。ここで継続的な活動に必要な収入を確保します。しかし、ここからの寄付集めが絶対だとは思っていません。私たちの目標は寄付集めのウェブサイトを運営することではないからです。理想的な寄付の仕組みをつくることが目標で、そのために全ての手段を検討し、最適解を皆さんとともに汗をかいて見つけ出します。

<展開計画>
 まず、ビジョンを共有できる48のNPO・公益団体等の担当者とそれぞれファンドレイジング(寄付集め)チームを結成し、二人三脚を組んで、継続的に、理想的に、寄付集めできる仕組み(モデルケース)を創り上げます。
 このモデルケースをもとに、ファンドレイジングドリルとシステムを構築します。
 これらが実現・実践すれば、各団体は、ファンドレイジングを通じて自分たちの活動を伝え、周囲を説得し、仲間にして、活動資金の調達もできるという理想の形が誕生します!

 

事業を始めたきっかけ

―2000年頃―
 塙は当時、インターネット通販会社を経営していました。その時苦労したのは、仕入先の確保でも、お客様集めでもなかったそうです。
 仕入先はそれまでの塙個人の信頼で確保できました。そしてお客様との関係では、情報の流れを押さえていました。だから、残るはこまめな報告と適切なフォローだけが鍵とハッキリわかっていたからだというのです。
 その鍵によって、売上は3億円まで急成長しました。ただ、ここから10万枚を超える経理伝票が発生し、新たな壁が行く手を塞ぎました。小口の現金が飛び交うBtoCの世界では、①物の流れ、②情報の流れ、③お金の流れ全てを上手にコーディネートする必要があります。
 にもかかわらず、塙の経験不足で③の見通しが甘く、ここのシステム化をしきれなかった。その結果、ここに労力を奪われ、問題が起きたときには全て後手後手となり、文字通り死にかけながら事業継続を断念したのでした。

-2011年1月-
 事業に失敗し、周囲からの信頼を全て喪った後、塙は司法試験に挑戦していました。
 司法試験の勉強の合間に新聞を読んでいた塙は、そこで「寄付税制が変わる」という記事を見つけました。いわく、①NPO法人が1年間に百人から三千円の寄付を集めれば、寄付控除の資格が得られる、②寄付控除に税額控除制度が設けられ、寄付した額の半分近くが確定申告で戻ってくるというのです。
 これは素晴らしい制度だ!と思う反面、壁も高い、と塙は直感的に思いました。
 多くの事務処理能力の弱いNPO法人は、恐らく実際に30万円集めても、事務処理に労力を奪われて手が回らなくなる現実に見舞われるだろう、コストも年に30万円以上かかるだろうと考えたからです。
 しかし、塙はそこで考えました。もし過去の失敗の経験をここに投入し、お金や情報の流れを上手にコーディネートできればどうか?と。多くのNPO法人の苦手分野を補って、寄付した人の思いも大切にできたら、ポジティブな循環が生まれる。それはとても素晴らしいことではないか!これは過去に失敗して多くの人に迷惑をかけた自分にしかできないことではないか!と思ったというのです。
 その後、受験生活を終えた塙は、1ヶ月も経たないうちにソーシャルベンチャースタートアップマーケットのスタートアップメンバーに選出され、直ちにKISINの準備に入りました。

ひとことメッセージ

 寄付には共感が大事だ、というお話はよくうかがいます。
 しかしその前に、共感をする土壌みたいなものが必要なことも見えてきました。
 共感する姿勢というのでしょうか。

 活動や受益者が「つらい、大変、だから助けて」ではなく、「楽しい、魅力的、だから一緒にやろう!」の方が耳を傾けてくれます。
 耳を傾けて、実情を知って、はじめて共感する。
 熱い想いに触れてくれようとする。行動に移る。

 そのためには、事業の本質以外のところを仕組み化し、事業の本質的なところに注力するという発想が必要です。そうでなければ、団体の内部にモチベーションの湧かない仕事を迫られる人が発生し、ネガティブなオーラが周囲に伝染していくからです。
 そんなオーラを伝染させて、誰が関わろうと思うでしょうか。伝染させるのは、ポジティブなオーラを!団体が生まれるまでの物語を思い出すと、必ずそこに魅力的な人がいたはず。目の前の大きな社会的課題を解決できれば、素晴らしい未来が広がる核心があったはず。これを思い出して、ともに語っていきましょう。
 ファンドレイジングは単なる集金装置ではなく、団体の経営そのものです。周囲を、社会を巻き込む方法論です。
 何をやったらいいかわからないという方は、まず私達にメールをください。
 近いビジョンを持っているという方も、私達にメールをください。
 ともに理想の社会にたどり着きましょう。 info@social.ne.jp

 

活動レポート

ファンドレイジング・日本2012に出席してきました。
http://jfra.jp/frj2012/ 
「寄付」について,これほどまでに多くの人が考えはじめているのか!と嬉しく思う反面,私達もいつまでも話を聴く側ではいけないな,と思う2日間でした。
派手でなくてもいい。
むしろ縁の下の力持ちでありたいというのが私たちの信念ですが,実践者にならなければ力持ち足り得ないので(笑)早く土俵にあがりたいです。
皆様のお力をお貸しください!

-----------------------------------------------【2012/02】

前回の活動レポート後、わずか3か月ですが,この間に大きな動きがありました。
代表の塙とパートナー1名の司法試験合格,ホームレス支援に4年かかわり行動力のあるスタッフの参加,モデルケースとなる複数の団体のファンドレイジング部門への参画……etc.etc.

そうそう、「パートナーが集まるファンドレイジングを考えよう」というテーマで,初のセミナーも行いました!
(対象がスタートアップメンバー限定ですけどね)

一方でお見せできるとお約束していたサービス開始が遅れています。
しかし,地道に見えにくい部分でぐいぐいと前に進めています。
是非見守っていただき、何かのときはお声がけいただければと思います
私たちは「外から偉そうに」ではなく、みなさんと共に汗をかきながら、一緒に悩みながら,一つのチームとしてファンドレイジングを進めていくところが強みです!
(こちらからもお声がけさせてくださいね)


※代表だった塙は2011年11月末より最高裁判所司法研修所に入所したため、向こう1年間代表の立場と事業執行から離れておりますが、団体としては今後ともスタッフがボランティアとして各団体のファンドレイジングに協力・参画する等してノウハウの蓄積をはじめとする着実な歩みを進めてまいります。

-----------------------------------------------【2011/11】

こんにちは!
3ヶ月前までは、代表の頭の中の妄想でしかなかったプロジェクトが、形になりはじめています。

  • 「寄付をした後」にどんな隠れたニーズがあるのか
  • 気軽に寄付をできる支払い方法はなにか
  • NPOのみなさんは何を欲しがっているのか

次々に具体化して、必要な方々の協力をとりつけつつあります。
3ヶ月後には実際のサービスをお見せする直前になっていると思います。
楽しみにしていてください。

寄付には共感が大事だ、というお話はよくうかがいます。
しかしその前に、共感をする土壌みたいなものが必要なのも見えてきました。
共感する姿勢というのでしょうか。

「つらい、大変、だから助けて」ではなく、「楽しい、魅力的、だから一緒にやろう!」の方が耳を傾けてくれます。
耳を傾けて、実情を知って、はじめて共感する。熱い想いに触れてくれようとする。
そのために、どういうコミュニケーションをしていけばいいのか、ご意見があれば是非Twitterやイベント等で声をおかけください!!

-----------------------------------------------【2011/08】

【事業カテゴリ】
3期生ビジネス支援・産業支援情報通信・情報化

【団体名/事業名】
NPOソシアル/KISIN

【活動地域】
日本

【ウェブサイト】
http://social.suki.net/

【ブログ】
http://www.social.ne.jp/blog/

【プロフィール】
早稲田大学第一文学部卒。大宮法科大学院卒(法務博士)。
早稲田大学在学中に、最終的に読者数21,000人になるメールマガジンを創刊。このメールマガジンを存続させるため、スポンサーになるインターネット通販会社を自ら創業。当時としては相当の規模である年商3億円まで達した後、クレジット決済代行会社倒産の煽りを受けて事業継続を断念する。その後、ロースクールに進学し、コーズローヤリング等について学ぶ。2011年9月、司法試験に合格。
一般社団法人アスバシ教育基金運営会員。
特定非営利活動法人シーズ・市民活動を支える制度をつくる会正会員。
特定非営利活動法人日本ファンドレイジング協会運営会員。
※塙は2011年11月末より最高裁判所司法研修所に入所したため、向こう1年間代表の立場と事業執行から離れております。

【影響を受けたもの】
『優駿』(宮本輝)

【座右の銘】
ねだるな、勝ち取れ。さすれば与えられん(『交響詩篇エウレカセブン』より)

【オフの過ごし方】
 最近ボーッとしている時は、TBSが運営するクラシック専門ラジオ局OTTAVAを聴きながら、趣味で作っている同局の非公式bot(Twitter)を通じてリスナーさんとたわむれていることが多いです。